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そんなこんなでリハビリ小説です。久しぶりに書き上げたものなのでキャラが違います。それに、サイトにあげるには短いので日記にアップさせていただきました。次期に溜まればサイトの方にもアップできたら良いなって思います。夢の……また夢かOTL



とりあえず、現実逃避にでも行こうかな!









平凡庭球で四天宝寺との話①(白石と)










 

 

季節は夏真っ盛り。学校も夏休みに突入したとは言え、部活はほぼ毎日あるしもちろんマネージャーの仕事だってある。今日もそんないつもと変わらない騒がしい一日のはずだった……のに私はこんなところでなにをしているんだろうか。

 

 

 


「大阪に来てまでドリンクづくり、か」

 

 

 

 

私は、この前大阪に来た時のように再び榊監督に頼まれて大阪へと来ていた。本来なら榊監督からの用事を終え帰るつもりだったが、時間もまだ大分余裕がありついでにマネージャーらしく他校偵察でもしておこうと思い四天宝寺まで赴くことにした。
多分、このときの私は暑さで頭がやられていたんだろう(いつもの私なら間違いなくそのまま帰っていたに違いない)

 


そして端っこからひっそりと伺おうと思っていたがやはり他校の制服というのは思ったよりも目立っていたらしい。
すぐに金ちゃんに見つかってしまいあれよあれよと言う間にマネージャーの仕事を頼まれていた。

 

 

 

まぁ、マネージャーの仕事についてはいつもとやっていることは変わらないし別に良いのだけど、しかし、やはりこんな所まで何やってんだろう、と思わずにはいられなかった。
でも、私には断ることはできなかった。白石さんにあんな爽やかな笑みを向けられて(歯が光ってた!)金ちゃんに泣きつかれ……頷いた瞬間に財前くんから可哀想なものを見るような目で見られていた気がするのはきっと、確実に、私の勘違いである。

 

 

 

 


「ほんますまんなぁ」
「あ、白石さん」

 

 

 


ぼんやりとしたまま作り終えたドリンクを運ぼうとしていれば隣から延びてきた手にドリンクのカゴをつかむ。内心驚きながらもそちらへと顔を向ければ、少しだけ申し訳なさそうに眉を寄せている白石さんがいた。
美形っていうのはこんな顔もかっこいいんだな、と場違いながらも思わずにはいられなかった。

 

 

 

「別にいつもやってることですし、気にしないでください」

 

 


私の言葉に白石さんは「ありがとな」とほほえむ。

 

 


「ドリンク重いやろ?一緒持っていくで」
「あ、ありがとうございます」

 

「お礼言うのはこっちのほうや」

 

 


そういってドリンクの入ったカゴを軽々と白石さんは持ち上げる。
さすがにすべてをもってもらうのはどうかと思った私も手伝おうと手を伸ばしたけれど白石さんから止められた。

 

 

 

「こないな時は女の子は甘えとけば良いで」

 

 

 

ぽかーん、と一瞬アホ面をさらしてしまったのも仕方がない。こんなことほかの人が言おうものなら吐き気ものだが(特に忍足先輩あたりだったら確実に殴ってる)白石さんだとあまりにも様に合いすぎて何も言えない。
あまつさえこの人の前世は王子か、なんてばかげたことさえ思ってしまった。

 

 

 

「ほな、行こうか」
「あ、はい」

 

 


歩きだした白石さんの隣に並ぶ。本来なら後ろを歩いてついていきたいところだが、さすがにそれは失礼に値しそうなので我慢した。
あぁ……今の私周りからみたらどんな風に見えるんだろうか。イケメンと平凡っこ、いやこの際自分が不細工だと表現されてもかまわないけどせめて人で表現していてもらいたい。


イケメンと生ゴミなんて言われたら、当分立ち直れそうにない。

 

 

 

 

「どないした?」
「いえ、なんでもないです、はい」

「?」

 

 

 

自分で考えたことに自分でショックを受けてました、とは言えるわけもなく曖昧な笑みを浮かべてごまかしておいた。

 

 

 


(違うこと考えよう)

 

 

 

これ以上自分で自分の首をしめてどうするんだ、と思い私は違うことを考えようと視線をずらす。そしてふと私の視線が向かったのは白石さんの包帯の巻かれた左腕だった。
金ちゃんには毒手とも呼ばれている左手。
本当に毒手とはさすがに思ってはいないが、どうやら怪我をしているというわけでもないらしい。

 

 

 

未だその手に何が隠されているのかは知らない。
しかし、今までの経験上世の中知らないほうが良いこともあると学んだ私にとても聞ける勇気なんてなかった。

 

 

 

「これが気になるん?」
「えっと、そういう訳じゃないんですけど」

 

 

 

いつのまにかひっそりとみているつもりだったのに、凝視してしまっていたらしい。白石さんが視線を自分の左腕へとやりながら、首を傾げた。

 

 

「   ちゃんになら特別に見せてあげんこともないで?」
「いやいやいやいや……結構です」



「そない嫌がらんでも」


 

こんな素敵な笑みを向けられて、ふつうなら赤面ものである。が、金ちゃんの白石さんの左手への怯えっぷりを思いだし私は顔を青ざめて思いっきり首を横に振った。
そんな私を見ながら、そりゃ残念やなぁと言う白石さんの横顔が言葉とは裏腹に残念そうにはとても見えず、すごく楽しそうに見えたのはみないことにした。

 

 

 


爽やかでどSか!

 

なんて、いやいやそんなまさか。

 

 

 

しかし、今までさんざん色々な人に見た目で裏切られてきた私はそう思わずにはいられなかった。少しだけ……実際はかなりだけど、白石さんへの印象が変わった瞬間であった。
この人ただの爽やかなイケメンじゃないのかも、しれない。

 

 

 

 

 

 

 

(なんか、 青ざめとらん?)
(そんなことないですよ謙也さん。ただ、世の中知らない方がよいことって結構あるなって思いしっただけです)
(えっ?!ちょ、どこみとるん?!ほんまどうしたん?!)

 

 

 

 

 

 

 

多分つづく。
リハビリついでに四天宝寺メンバーも書きなれたい…です。というか、他校でもやってみたいかも(その前にちゃんとした小説書けるようになれよって話´・ω・`

 

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