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い、いきすぎたー!!とか、連打しすぎたー!!とかやらかすたびに内心ひやひやしています。そのうち書いている小説も一緒に消してしまいそうです(ガタブル)書いているものを消したことが何回もあるのでなおさら、ね。
書き終わって保存してあるのを消したときはちょっと立ち直れそうにありませんでした……OTLいや、でも皆様もたまにありますよね!自分だけじゃないって信じてる!!!(机ばんっ
ばさら感想(※っぽいもの)
わかってはいるのにアニメで三成がでてこないかそわそわしている自分がいる。自重しろ。とりあえず元就や三成に足蹴にされたいです。足蹴にされた先に…何か今まで見えなかったものが見えるような気がする(変態の扉
とくにネタがないので続きにきっと一周年企画で書こうと思って挫折した平凡×○○で書いたと思われるネタをさらしときます。一年前くらいに書いてそのまま放置だったので色々おかしいです。
早く新刊でないかな(そわそわ)
今日は確かあいつらがやってくる日だったか、と着替えながらシエルは呟いた。その言葉に、彼の執事はにこやかな笑顔を浮かべ「えぇ」と頷いた。
カレンダーにつけられた赤い花マル。もちろん、それはこの屋敷の主であるはずのシエルがつけたものではなく、今日ここに来る人物がつけたものだ。シエルの制止を振り切り、笑顔を浮かべながら赤丸をつけた人物。今日その人物が来ると思うと、シエルは知らず知らずのうちにため息を一つ零していた。
まだ、その人物の妹だけなら何も思わなかっただろう。いや、むしろ彼女に会えるのは楽しみ、だとも思える。自分の身近にいる数少ないまともな思考を持った人物ではあるし、貴族の娘だからと言って無駄にプライドが高いわけでもなく、無知なわけでもない。話も合うし、普段は物静かな彼も彼女との会話は弾む。
だが、問題は兄のほうだ。
他の貴族のように変なプライドを持っているわけでもないが、破天荒な奴に行動には振り回されてばかりだ。その人物が今日、来る。ため息を零すな、と言うほうが無理な話だ。
「坊ちゃん諦めてください」
にこやかな笑顔を浮かべる自分の執事の言葉に頭が痛くなる。
そう、どうせ居留守を使おうが何をしようが、彼、は自分の居場所をつきとめてくる。それなら始めから大人しく家で待っていたほうが良いということは、彼と知り合ってからのこの数年で学んだことだ。
***
馬車の揺れに思わず欠伸が一つ。穏やかな揺れは、昨日あまり眠れなかった私に睡魔が誘う。しかし、それを許さないかのように隣にすわる自分の兄は次から次へと言葉を紡いでいた。はっきり言ってうざったい。これからどうせ、シエルのところに行くんだからそこでしゃべれば良いのものを、何故今、私に話題を振るんだろうか。
それでも、ないがしろにするとすねてシエルにそのつけがまわってしまうのでそれだけは避けたいと眠たさをなんとかこらえて、吾郎の話に耳をすませる。
まったく、シエルにも悪いことをした。
彼は自分達とは違い、既に会社を自分ひとりの力で経営している身であり、忙しいのだ。それなのに、折角の休日にこんな煩いのと訪問するなんて、彼にとっては迷惑どころの話じゃないだろう。
「(ごめん、シエル)」
それでも私は実の兄をとめることはできない。まぁ、止めることはできなくても抑えることはできるだろうとは思うから、少しはシエルの疲れが増えないように努力はしたいと思っている。流れていく景色にため息一つ。きっとシエルも今頃ため息を零しているんじゃないかという私の予測もあながち外れてはいないだろう。
そんなことを考えているうちに馬車は目的地についた。自分達が住む屋敷よりも大きな屋敷。そんな屋敷に人が10人足らずしか住んでいないのだから勿体無い感じがぷんぷんしてしまう私はやはりどこか貴族としての自覚が足りないのかもしれない。
「いらっしゃいませ、 様」
「……」
にこやかな笑顔の執事と、その隣には露骨に嫌そうな顔をうかべる主の顔。正直、ここから走り出して逃げ出したいと思う私は間違っていないはず。
いや、きっと普通の人であったならこのシエルの顔を見たら逃げ出したくてたまないと思ったはずだろう。
でも、残念なことに私の兄は普通ではない。そんなシエルの露骨に嫌そうな顔にも気づかずに、吾郎はシエルに笑顔で「よっ!」なんていってる。
我が兄ながらどこまで空気が読めないんだろうか。
「こんにちは」
シエルのほうへと歩み寄る吾郎に、セバスチャンさんが私のほうへと歩み寄った。
会って間もない頃は、セバスチャンと呼び捨てにしてくれてもかまわない、とよく言われたけど年上を呼び捨てに出来るわけもなく家の執事たちにも敬語で話してしまう私にそれは無理なお願いだった。セバスチャンさんもそれを分かってくれたのか、最近では特に何も言われることはない。
「 お嬢様、ようこそいらっしゃいました」
「あの、その本当キャラじゃないんでお嬢様とかやめて下さい」
「ですが、大切なお客様ですから」
にっこりと笑顔をうかべるセバスチャンさん。あー、なんて白々しい!こんな笑顔のうらではどうせ、私の反応を見て面白がっているに違いない。私は知っているのだ。
どんなに吾郎が馬鹿で馬鹿で馬鹿で気づいていないとしても、セバスチャンさんが腹のうちが真っ黒な人だということに!ちくしょっ、庶民舐めんなよ!
「いや、本当キャラじゃないんで…勘弁してください」
それにあなたこの前まではお嬢様なんて一回もつけたことなかったじゃないですか。と言う言葉は飲み込んでおく。からかわれているとは分かっていても、一癖も二癖もあるような人間を相手にしたところで私に勝ち目なんてないことは分かっている。
「おい、 !この男をどうにかしろ!」
「 様、坊ちゃんがお呼びです」
いつの間にかセバスチャンさんの呼び方が普通の呼び方に戻っていることに安堵の息を吐き(それでも、やはり様呼びはあまり好きではない)シエルからに要求にため息をついた。吾郎をどうにかすることができていたら、今頃ここにはいない。どうにもすることができなかったからこそ、吾郎に言われるがままにここに来てしまったんだ。
まったく、やってられないと言うか、何と言うか。今ここでシエルのほうに言っても私には何もすることはできないだろう。
「頑張れ……!」
「僕を見捨てるつもりか!」
「あはは、シエルも面白いなぁ」
「こ、こらっ!頭を撫で回すな!!」
こうやって見るとシエルが年相応に見えてくるから不思議だ。私よりも年下のはずなのにいつもはしかめっ面な上に喋り方も大人らしい。子供らしさなんて、シエルにとったら皆無だと思っていたけれど、こうやって見るとシエルにも子供らしい一面はあるようだ。と、そんなことを考えながら一歩、シエルたちから遠ざかる。
シエルには悪いが私もここまでに来る過程で結構な労力を使い果たしてしまった。まだ吾郎を相手にするには回復が足りない。
だから、申し訳ないが今回ばかりはシエルを見捨てさせていただく。ごめん、シエル。後のことを考えると少し怖いけれど、ここはしょうがないと思ってもらいたい。
「じゃ、私は先に中に入っておくねー」
「さぁ、どうぞ。こちらへ」
「おい、お前ら!!セバスチャンっ!お前まで行こうとしてるんじゃない!」
「坊ちゃん、たまには人とのふれあいと言うのも必要なんですよ?」
「そんな事言いつつ、顔が笑ってるぞお前!!」
「うわー、セバスチャンさん良いこと言うー!!俺、超感激!」
「……」
混沌……カオスと言うのはこういうことを言うのかもしれない。まだ来たばかりだとのにこの状況なのだから頭が痛くなるのもしょうがない。来て、5分でこの状況。これから大丈夫なのだろうか、と思ってしまう。
今日は別に遊びに来た、と言うだけじゃないのに。この状況で真面目な話なんて出来る気がまったくもってしない。いや、真面目な話になれば吾郎もちゃんとしてくれるとは分かっているが、それでもこの目の前の状況を見ているとそうは思えなくなる。
とぼとぼと、歩き始め後ろからはまだシエルの断末魔のような叫び声が聞こえてきているが私はそれを無視して、屋敷の中へと歩みをすすめた。玄関では、タナカさんたちがいて私(正しくは、私達だけど)を出迎えてくれる……なんて、癒し系なタナカさん。私もこんな人が屋敷に一人いて欲しいと常々思っている。
「こんにちは」
「おぅ、よく来たな!!」
「いらっしゃいませです」
シエルが"ここ"に戻ってきてから変わらない面子に、ホッとするのを感じながら迎え入れてくれる人たちに挨拶をする。なんとも個性的な面子ではあるけれど、全員が良い人だから気にはしない。どんなに台所を爆発させちゃおうとも、洗剤30杯入れちゃおうとも、木を素手で倒しちゃおうとも、全員が全員良い人なのだ。
それに、私をあまり貴族扱いせずにただの個人として扱ってくれるのも、ありがたい。堅苦しくないこの空気が私は好きだから。
「……疲れた」
「お疲れ」
いつの間にか隣に立っていたシエルは、見てわかるくらいに疲れ果てた表情をしていた。その原因、いや元凶とも呼べる吾郎は今はタナカさんたちに挨拶をしてまわっている。
「よくも、僕を見捨てたな」
「ここに来るまでの私の疲れも分かってよ」
私がそう言えば、シエルも納得した表情を見せた。分かってくれたんだろう、馬車の中で私がどれだけ吾郎の相手をしていたかということに。
「さて、早速ではあるが話を聞かせてもらおうか」
「さすが女王の犬は、仕事が早いね」
私が口端を僅かにと笑みを浮かべながら言えば、シエルもニヤリと微笑みながら「それはお前達にも言えたことだろう?」と言った。もうすでにこの時のシエルには先ほどの子供らしさなんてもの皆無で、まったくもって大人でもしないような嫌な笑みをうかべていた。
「お褒めをあずかり、光栄ですね」
「ふん。まったく、そんな事思ってないくせに」
そりゃ、そんな嫌な笑みを浮かべながら言われたら誰も褒められているとは思わないだろう。
現にシエルはどうせ嫌味のようにこの言葉を口にしているのだから。そんなことが分かっているのに素直に喜ぶような子供でもないし、嫌味には嫌味で、これは私の中での常識でもある。そんな私とシエルのやり取りを見ていたセバスチャンさんは「では、私はお茶の準備を」と言って私達に背中を向けて歩き出した。
有能な執事。
それは彼の真の姿であり、偽りの姿でもあるのだろう。彼の後姿を見ながら、私はそんなことを考える。執事にしては最高の執事でありながら、執事らしくもないと感じてしまう彼の背中はやはりただの人、の背中というわけではなさそうだ。出ているオーラが、万人とは違う。まぁ、彼の存在が損得であらわすのなら私の損になるわけじゃないから別に彼がどんな人間、いや、どんなものであっても良いのだけど。
それに、彼の作るおやつもそこらへんの名高いシェフが作るよりも美味しいし(何だかんだ言いつつ、これが一番重要)それにしても未だタナカさんと和気藹々と話している吾郎はここに来ている目的をちゃんと覚えているのだろうか……いや、吾郎のことだからもうすでに忘れていそうだな、と私は僅かに痛くなった頭を抱えた。
つづかない