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りはびり小説です。なんだかりはびりできてない気がぷんぷんしますが気にせず突っ走ろうと思います。あきらめたらそこで試合終了ですよね!!(涙をこらえながら


 





平凡庭球で四天宝寺との話②(謙也)









 










白石さんがコートまで運んでくれたドリンクを丁度良く休憩になった選手たちがカゴからとっていく。勢い良く少なくなっていくドリンクはきっと暑さのせいだけでなく、練習のきつさを物語っているんだろう。
しかし、そこはやはりレギュラー陣なのか、レギュラーの人たちはそこまできつそうに見えなかった。

 

 


(どこのテニス部もレギュラーって怪物なのかな…)

 

今まで結構なテニス部を見てきた私はそう思わずにはいられなかった。



 

そんなことを考えながらカゴの中を見れば、まだそこにはドリンクが一本残されている。本数は確かにメンバーの分ぴったりにつくったはず。まだ誰かとりにきてないのか、と首をかしげ最後の一本を手に取りあたりを見渡せばこちらへとゆっくりと歩いてくる謙也さんの姿が目に入った。

 


手にはタオルだけ。どうやら最後のこの一本は謙也さんのらしい。

 

 

 


「はい、どうぞ」
「おっ、ありがとさん」

 

 

 


最後のドリンクを謙也さんへと手渡せば、どこぞやの丸眼鏡先輩とまったく違って爽やかな笑みをうかべて受け取ってくれた。
本当にこの人とあの人はいとこなんだろうか、と会う度に思う(未だに認めたくない事実である)だって忍足先輩がこんな爽やかな笑みを浮かべたところなんてみたことがないし、いや、まぁみたいとも思わないからそれは別にどうでも良いのだけど、あの先輩の笑みはこう……はっきりといって胡散臭く感じられて仕方がない。
笑みを向けられる度にまた何か企んでいるんじゃないだろうかと思ってしまうくらいである。




 

それに比べて謙也さんの笑顔と言えば、屈託のない笑みで押したり先輩と違い、何か企んでいるんじゃないかなんて思ったこと一回もない。

 

 

 

 

(言われなかったら名字が同じでも、従兄弟だって分からなかっただろうし)

 

 

 

 

というか、初めて会った時は名字が一緒なんて珍しいこともあるんですね、としか思わなかった。
二人を並べてみても全然似ているところなんて私には見つけられない。従兄弟だからといって似ているわけではないのはわかってはいるが雰囲気からガラッと違うのもそれはそれで珍しいじゃないだろうか。

 

 

 

 


「……」
「どないした?」

 

 


「いやぁ、さすが浪速のスピードスターだなって思って」

 

 

 

 

じっくりと忍足先輩の顔と比べながらドリンクを飲む謙也さんを見つめる。浪速のスピードスター何それ、と初めて聞いたときは思ったけれど、慣れてしまえば謙也さんに似合っているなぁと思う。
白石さんの聖書については未だ理解できないところは多々あるけれど。しかし、そんな二つ名なんてものを聞くとテニス部のセンスを疑ってしまう。

 


いや、本人が納得しているなら私に言えることなんてないことは十分分かってはいる。

 

 

 

「それ誉めとるん?」
「どちらかと言えば」

 


「どちらかと言えばってなんやねん」

 

 

 

それ誉めてないやろ、と言いながらカラカラと謙也さんが笑う。
ほら、みてこの笑顔。本当に爽やか!

 

 

 

「……はぁ、」

 

 

 

私は、今頃東京で練習に励んでいる忍足先輩を思い出してため息を一息吐いた。今度、跡部部長か監督にトレードができないか聞いてみよう。監督はどう答えるかわからないけれど、跡部部長なら積極的に話を聞いてくれそうな気がする(一体忍足先輩は跡部部長に何をしたんだろうか)(なんとなく予測できるけど)

 

 

 

「謙也さんって本当に忍足先輩と従兄弟なんですよね?」

 

「あぁ。そうやで」

 

 

 


私の言葉に意味が分からないと言った感じで、それでも首を縦にふる謙也さんは正直可愛かった。髪の毛は脱色しているし、最初少しだけ不良かと思って怯えてしまったのも良い思い出である。

 

 

 


「あ、飲み終わったんなら預かります」
「悪ぃな」

 


「いえ」

 

 


ドリンクを飲み終わったらしい謙也さんからドリンクを受け取る。ドリンクを手渡される瞬間においしかったで、の一言と爽やかな笑みが添えられ頬がゆるむのをとめることはできなかった。

そりゃ、不味いって言われるよりも、おいしいと言われたほうが嬉しいに決まっている。

 

 

 

「ありがとうございます。あ、でも」
「どないした?」

 


「謙也さんって、青汁が好きだったんですよね」

 

 


つい先日、忍足先輩から聞いたこと。
聞いた瞬間は、中学生が青汁好きだなんて渋いなとは思わずにはいられなかった。

 

 

 

 


「すいません、乾先輩じゃないんで青汁準備できないんですけど」

 

「ちょっと、待ち。あれは青汁とは言わんっちゅー話や!」

 

 

 

まじめな表情でそう言った謙也さんの顔色はなんだか青ざめている気がした。今まで飲んだことはなかったのだけど、どうやらあの破壊力はこんな大阪にまで伝わっているらしい。それも青汁と比べたらいけないって、そこまでの代物だなんて……今後、何があろうと私は乾汁には絶対に手をだすようなまねはしないことを心のちかった。

 



(あかん、あれはほんまにあかんで)
(…ファイトです)

 

 


 

 


謙也を書きたかった……OTL

四天宝寺のところあと10回は読み直してきます。
 

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